「ゲーミングPCが最近頻繁にフリーズする...」
「自分でできることは無いだろうか…」
フリーズが頻繁に起こると快適にゲームがプレイできないのでイライラしますよね。そんな方に向けて、この記事ではよくある原因と対策を解説しています。
※状況により対処法も異なり、原因の特定も難しいので、今回は代表的なものに絞りました。
もし、自分でできそうな方は試していただければと思います(もちろん自己責任になるので、自信が無い方は修理に出しましょう)。1人でも多くの方が改善に至って快適にゲームができるようになれば幸いです。
どんな時にフリーズするかによって考えられる原因が変わってくるので、フリーズする時の条件を整理しながらみてみましょう。
ゲームアプリ動作中にフリーズが発生する場合
ゲームのプレイ中やゲームアプリからデスクトップ作業に切り替えた際にフリーズが発生する場合、以下のような原因が考えられます。
- グラフィックボード関連(GPU)の問題
- CPUの問題
- メモリ不足
- 電源供給の不安定
- ドライバの問題
- ストレージの容量不足
- ゲームアプリの不具合
Yahoo知恵袋での質問なんかを見ていると、ほとんどの方は上記のどれかに当てはまるのではないかと思います…
これらの原因の特定方法や、対処方法を以下に示します。
グラフィックボード関連(GPU)の問題
ゲームアプリ動作中にフリーズが発生する場合、グラフィックボード(GPU)の問題が最も一般的な原因の一つです。これは、GPUがゲームのグラフィック処理を担当しており、高負荷時に不具合が発生しやすいためです。
具体的には、以下のような症状が見られます。
- 画面のカクつき: ゲームプレイ中にフレームレートが低下し、動作が滑らかでなくなる。
- テクスチャの破損: グラフィックが正しく表示されず、異常なテクスチャやグリッチが見られる。
- アプリケーションの突然の終了: ゲームが突然クラッシュしてデスクトップに戻される。
以下に対応方法を4つご紹介します。
DirectX 診断ツールの確認

まずは基本ですが、グラフィックボードの状態を確認しておきましょう。Windowにはデフォルトでグラフィックボードを確認できるツール「DirectX 診断ツール」が搭載されています。
DirectX 診断ツールの起動方法
DirectX 診断ツール起動するには、左下の検索フォームにdxdiag
と入力すると簡単に開けます。


デジタル署名の確認をするかどうか聞かれますが、「はい」でDirectX 診断ツールが起動します。
エラーが出ていないか、ゲームの動作要件を満たしているかなどをチェックしましょう。
ゲームの動作要件はプレイするゲームによって違うので公式サイト等で推奨環境を調べておきましょう。
GPUの温度監視
DirectX 診断ツールでは温度までは分かりませんが、GPU-Zなどのツールを使用すると、ゲームプレイ中のGPU温度を監視できます。過熱が原因であれば、温度が高すぎる可能性がありますので後述するオーバーヒート対策をしてみてください。一般的に70~80度を超えると過熱の可能性があります。
ドライバの更新

デバイスマネージャーで最新のグラフィックドライバをインストールします。ドライバの問題である場合、更新によって問題が解決することがあります。手順は後述(ドライバーの更新方法)。
ショートカット『Win + Ctrl + Shift + B』を使用すればPCを再起動することなくドライバを再起動できます。ゲームアプリの動作中にも比較的手軽に実行できるので、覚えておくと便利です。
グラフィック設定の調整
ゲーム内のグラフィック設定を低くすることで、GPUへの負荷を軽減し、安定性を向上させることができます。
CPUの問題
ゲームアプリ動作中にフリーズが発生する場合、CPUの問題が原因となることがあります。これは、CPUの過熱(オーバーヒート)や性能不足が影響するためです。
具体的な症状: ゲームプレイ中にPC本体が熱くなる、ファンが高速回転する、ブルースクリーン
- タスクマネージャーの起動:
Ctrl + Shift + Esc
を押してタスクマネージャーを開きます。 - CPU使用率のチェック: 「パフォーマンス」タブを選択し、CPUの現在の使用率を確認します。使用率が常に高い場合、CPUが過負荷になっている可能性があります。
- プロセスタブをチェック: 「プロセス」タブで、各アプリケーションやプロセスがどれだけのCPUリソースを消費しているかを確認します。特定のプロセスが異常に高い使用率を示している場合、それがフリーズの原因である可能性があります。
CPUの温度確認
タスクマネージャーでもある程度は負荷状況を確認できますが、温度を確認したい場合は、Core Tempなどのツールを使用します。ゲームプレイ中のCPU温度を監視し、高温が確認された場合は、過熱が原因である可能性があります。ケースを開けっ放しにして温度を確認するというのも原因を切り分ける手段の一つです。
CPUの温度は各コアの温度が70度あたりを超えていないか確認します。通常、70~80度以上になると過熱の可能性があります。
オーバーヒート対策
以下のオーバーヒート対策を試した上で、温度を再度チェックしてみてください。
ホコリの除去 | PC内部のホコリをエアダスターで取り除き、冷却効率を上げる |
---|---|
グリスの塗り直し | CPUクーラーを取り外し、古いグリスを拭き取った後、新しいサーマルペーストを塗り直す |
空気が通りやすい配置 | 壁や他の家具などで空気の流れが妨げられないように注意 |
メモリの不具合
メモリの容量不足により、ゲーム中などに頻繁にフリーズする現象が発生する可能性もあります。
具体的な症状としては、ゲームプレイ中のカクつきや、他のアプリケーションの強制終了があります。タスクマネージャーを使用して、メモリの使用状況をリアルタイムで確認することで、メモリ不足の原因を特定できます。
具体的な症状: ゲームプレイ中にカクつきがひどくなる、他のアプリケーションが強制終了する
タスクマネージャーを使った原因の切り分け手順:
- タスクマネージャーを起動する:
Ctrl + Shift + Esc
で開けます。 - 「パフォーマンス」タブを開く: 左側のメニューから「メモリ」を選択します。ゲームをプレイしながらメモリ使用量を監視します。使用率が高い場合、メモリ不足が原因である可能性があります。
- 「プロセス」タブを開く : 各アプリケーションやプロセスがどれだけのメモリリソースを消費しているかを確認します。特定のプロセスが異常に高い使用率を示している場合、それがフリーズの原因である可能性があります。
あくまでも一般的な目安ですが16GBや32GBあれば快適にプレイできます。それに加えてゲーム配信もする場合は64GBあれば十分です。
ゲームの動作要件はプレイするゲームによって違うので公式サイト等で推奨環境を調べておきましょう。
電源容量不足
ゲームアプリ動作中にフリーズが発生する場合、電源供給の不安定も原因の一つです。電力が不足すると、PCのパフォーマンスが低下し、システムが安定して動作しなくなるためです。
具体的な症状としては、高負荷のゲームを起動するとフリーズする、システムの突然のブルースクリーンといったことが挙げられます。
具体的な症状: 高負荷のゲームでフリーズ(+ブルースクリーンするなど)
対策としては、PCに必要な電力を計算し、適切な電源ユニットを選定します。推定消費電力を把握し、余裕を持った電源ユニットを選ぶことで、電力不足による問題を防ぐことができます。
下記のページでCPUやグラボ、メモリ、SSH等の情報を入力して合計使用電力を割り出してください。
実際、合計使用電力の1.3倍ぐらいは必要です。余裕をもって2倍程度にしておけば少し増設してもそのまま使えるので問題無いでしょう。以上の方法で足りない場合は交換を検討してみてください。
ドライバの問題
ゲームアプリ動作中のフリーズの原因として、ドライバの問題も考えられます。古いドライバや不完全なドライバが原因でシステムが不安定になるためです。
ドライバの問題は、ゲーム中のフリーズする場合は割と一般的な原因です。最新のドライバを使用することで、システムの安定性を向上させることができます。
ドライバの更新方法
下記の手順でドライバ更新を試してみましょう。
- デバイスマネージャーを起動
Windowsキー + X
を押して「デバイスマネージャー」を選択
- ドライバの更新(もしくは再インストール)
- グラフィックボードや他の主要なドライバを右クリックして「ドライバーの更新」を選択し、最新のバージョンに更新」をクリック
- 再インストールする場合は、「デバイスのアンインストール」を選択し、「アンインストール」をクリック選択。※完全に削除するわけではないので「このデバイスのドライバーを削除しようとしました」にはチェックを入れない
- Windows Updateもチェック
- 一部のドライバはWindows Updateでも更新されるため、
設定 > 更新とセキュリティ > Windows Update
でも更新プログラムを適用しておく
- 一部のドライバはWindows Updateでも更新されるため、

ストレージの容量不足
ストレージの容量不足も、ゲームアプリ動作中のフリーズの原因となります。ストレージの空き容量が不足していると、システム全体のパフォーマンスが低下し、フリーズが発生します。これは、メモリや一時ファイルへの書き込みが妨げられるためです。
例えば、ゲームのロード時間が長くなったり、ゲームプレイ中にカクつきがひどくなる、フリーズするといったことがあります。
具体的な症状: ゲームのロード時間が長くなる、ゲームプレイ中にカクつきがひどくなる、フリーズする
ストレージの容量不足を解消するために、不要なファイルの削除やストレージのアップグレードを検討します。ストレージの空き容量を増やすことで、システムのパフォーマンスを向上させることができます。
ストレージ容量の確認方法

Windowsのエクスプローラーから以下の手順で確認できます。
Windowsキー + E
でエクスプローラーを開き、「PC」を選択- ゲームがインストールされているドライブの空き容量を確認
不要ファイルの削除方法
設定 > システム > ストレージ > クリーンアップ対象候補
から削除対象を選択して「○○ GBをクリーンアップします」をクリックで削除できます。ボタンのすぐ上にある「詳細オプション」を確認し、削除したくない一時ファイルがあればチェックは外しておくようにしましょう。
ゲームアプリの不具合
あまり多くはないと思いますが、特定のゲームのみ発生する場合はそのゲームに不具合がある可能性もあります。
最新版がリリースされている場合はアップデート(もしくは再インストール)により解決できるかもしれません。
公式サイトやX(旧Twitter)等で情報収集してみましょう。
その他の状況でフリーズが発生する場合
特定のゲームが起動しているせいでフリーズするとかではないのであれば、セーフモードで起動するとある程度原因を切り分けできます。
セーフモードで原因を切り分ける
Windowsをセーフモードで起動すると、最小限の環境で動作するので、問題の切り分けができることがあります。
セーフモードで起動する方法
- スタートボタン >「設定」 を選択
- 「システム」>「回復」を選択
- 「回復オプション」の「高度なスタートアップ」の隣にある「今すぐ再起動」を選択
- PC再起動時に「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」>「高度なオプション」>「スタートアップ設定」>「再起動」の順に選択
- PC再起動時に「4」か「F4」キーを押してセーフモードで起動
参考:Microsoft公式「WindowsでPCをセーフモードで起動する」
セーフモードでフリーズが発生しない場合
セーフモードで起動してフリーズが発生しない場合は、次のような原因が考えられます。
セーフモードでフリーズが発生する場合
セーフモードで起動してもフリーズが発生する場合は、物理的な問題(ハードウェア側の問題)か、システムファイルの破損が原因である可能性が高いです。
それぞれ挙げると下記のようになります。接触不良以外は前述しましたのでリンクからジャンプしてください。それ以外について解説していきます。
接触不良
マウスやキーボードだけでなく、PC内の配線コネクタ、電源周り、SSD・メモリの抜き差しなど試して改善するケースもあります。
システムファイルの破損
セーフモードで起動しても発生するということはシステムファイルが破損している可能性もあります。
一見難しいイメージがあるかもしれませんが、下記の4ステップで簡単に実行できます。
- コマンドプロンプトの起動
Windowsキー + S
を押して「cmd」と入力。- 「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択。
- システムファイルの破損を修復
- コマンドプロンプトでコマンド
sfc /scannow
を入力し、Enter
キーを押す。 - (数分かかる場合があります)すると、システムファイルチェッカーが実行され、破損したシステムファイルを自動的に修復されます。
- コマンドプロンプトでコマンド
- システムイメージの修復
- システムファイルチェッカーが完了したら、次にコマンド
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
を入力し、Enter
キーを押す。 - (数分かかる場合があります)すると、DISMツールを使用してシステムイメージの修復が行われます。
- システムファイルチェッカーが完了したら、次にコマンド
- PCを再起動
まとめ
今回紹介した原因以外のものが複数組み合わさっている場合もあり、原因の特定は難しいのですが、まずは以上の内容をチェックしていただければと思います。まとめると次のようになります。
- ゲームアプリ動作中にフリーズが発生する場合:
- グラフィックボード関連(GPU)の問題: DirectX 診断ツールやGPU-Zを使って、GPUの状態と温度を確認し、必要に応じてドライバを更新する。
- CPUの問題: タスクマネージャーでCPUの使用率と温度を監視し、過熱が確認された場合はホコリの除去やグリスの塗り直し、冷却の改善を行う。
- メモリ不足: タスクマネージャーでメモリ使用量を監視し、不要なアプリケーションを終了するか、メモリの増設を検討する。
- 電源供給の不安定: 電力計算ツールを使用して必要な電力を確認し、適切な電源ユニットを選定、交換する。
- ドライバの問題: デバイスマネージャーやWindows Updateを使用して、最新のドライバに更新する。
- ストレージの容量不足: ストレージの空き容量を確認し、不要なファイルを削除するか、容量の大きいHDDやSSDに交換する。
- ゲームアプリの不具合: ゲームのアップデートや再インストールを行い、公式サポートから情報を得る。
- その他の状況でフリーズが発生する場合:
- セーフモードで原因を切り分ける: セーフモードでフリーズが発生するかどうかを確認し、ドライバやハードウェアの問題を特定する。
- セーフモードでフリーズが発生しない場合:
- ドライバーの問題: セーフモードで正常に動作する場合、通常モードでのドライバが原因の可能性が高いです。最新のドライバに更新し、スタートアッププログラムを見直す。
- セーフモードでフリーズが発生する場合:
- 物理的な問題(ハードウェアの問題):
- 接触不良: マウスやキーボード、PC内の配線コネクタ、電源周り、SSD・メモリの抜き差しを確認し、ホコリの除去を行う。
- 電源容量不足: 高負荷時に電力が不足している場合、適切な電源ユニットに交換する。
- 熱暴走(オーバーヒート): PC内部のホコリを除去し、冷却効率を向上させる。また、CPUクーラーやサーマルペーストの再塗布を検討する。
- メモリの不具合: メモリ診断ツールを使用してメモリの健全性を確認し、必要に応じてメモリを交換する。
- ストレージ関連の問題: ストレージの健康状態を確認し、必要に応じて交換する。
- CPUの問題: 過熱や性能不足を確認し、必要に応じて冷却対策やアップグレードを行う。
- システムファイルの破損: コマンドプロンプトを管理者として実行し、
sfc /scannow
やDISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
コマンドを使用してシステムファイルを修復する。
- 物理的な問題(ハードウェアの問題):
自己責任で試してみて、自信がない場合や解決しない場合は、専門の修理サービスを利用することをお勧めします。快適にゲームをプレイできるように、少しでもお役に立てれば幸いです。